女子レスリングの栄和人監督(57歳)が伊調馨選手(33歳)に対してパワハラをしていた疑惑を週刊文春がスクープしました。
栄和人監督による陰湿なパワハラは現在も続いていて、伊調馨選手は練習場所にも困る状況に追い込まれているとのこと。その影響は伊調馨選手を指導していた田南部力コーチとその娘にも及んでいるとのこと。
恩師である栄和人監督と伊調馨選手に何があったのでしょうか。伊調馨選手のパワハラ告白について、栄監督との出会いから現在までの経緯をまとめました。栄和人監督はプライベートでは2度の結婚をしていて2人の嫁と2人の娘がいますが、嫁は2人とも教え子で、自ら教え子に手を出して責任を取り結婚をしたことを公言しています。栄和人監督の娘の栄希和さんも東京五輪を目指しているレスリング選手です。
栄和人監督の伊調馨へのパワハラ疑惑まとめ【告白内容】
「東京五輪で5連覇は今のままでは考えられない」――国民栄誉賞の金メダリスト・伊調馨(33)に“パワハラ”被害疑惑! 数々のメダリストを育ててきた名伯楽による、選手生命まで奪いかねない陰湿な“手口”とは。 #週刊文春 #スクープ速報 pic.twitter.com/BZzpVq7Yni
— 文春砲(文春くん公式) (@bunshunho2386) 2018年2月28日
平昌オリンピックの興奮が冷めやらぬ中、次は2年後の東京五輪での日本選手の活躍に早くも期待が膨らむ中、とんでもない事実が発覚しました。
女子個人として人類史上初のオリンピック4連覇(2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオ)を達成し、2016年には国民栄誉賞を受章した伊調馨選手が、東京五輪に向けて練習もままらない状態にいると言うのです。
その原因となっているのが、恩師であり日本レスリング協会の強化本部長である栄和人監督というのですから驚きです。
栄和人監督は吉田沙保里選手を始めとする女子レスリング金メダリスト6人を育てた絶対的存在の人物で、レスリング界の中での権力や影響力は半端ないものであることが容易に伺えます。
そんな栄和人監督から睨まれてしまったら選手生命の危機の何ものでもありません。
さらに驚いたのは、伊調馨選手がパワハラを受け始めたのは、今から8年も前の2010年頃からで、ロンドンオリンピック(2012年)、リオオリンピック(2016年)は、そんなパワハラを受けていた中で達成したものだったのです。
伊調馨選手って、栄和人監督のお気に入りの吉田沙保里選手と比べて、なんだか暗い印象のある選手だなぁと思っていたのですが、この文春砲を読んで、それも納得してしまいました。伊調馨選手が抱えていた闇ってこれだったのかと。
その一例として、2016年のリオ五輪では、栄和人監督のお気に入りの吉田沙保里選手と登坂絵莉選手は、選手団とは別の飛行機のビジネスクラスでリオ入りしたのに対し、伊調馨選手に用意されていたのはエコノミークラスでした。
栄和人監督の圧力は伊調馨選手の練習環境にも及び、リオ五輪前、伊調馨選手は満足できる練習ができていなかったといいます。つまりは、栄和人監督は伊調馨選手にオリンピック四連覇を達成させないために動いていたというのです。
そんな栄和人監督の伊調馨選手に対するパワハラの数々が公になったのは、2018年1月18日に内閣府の公益認定等委員会に提出された1通の告白状がきっかけでした。
栄和人監督の伊調馨選手に対するパワハラの内容とは?
内閣府の公益認定等委員会とは、公益法人の公益認定や監督を行う機関です。公益を認定された法人は税制優遇などの恩恵を受けることができます。
日本レスリング協会は公益財団法人なので、公益認定等委員会の監督下にあり、公益性に問題があるとして告発状が提出されました。告発状は、五輪出場選手を含む複数の協会関係者(告発者A 田南部力コーチ、告発者B 安達巧・元日本代表男子コーチ)に依頼され、貞友義典弁護士が作成し提出したものです。
3月1日、伊調馨選手は、告発状には一切、関わっていないことコメントを発表しています。
栄和人監督の伊調馨選手に対するパワハラの内容は大きく分けて次の3つが報じられています。
1.伊調馨選手が師事する田南部力コーチ(42歳)への圧力
2.伊調馨選手の男子合宿への参加禁止
3.伊調馨選手の警視庁レスリングクラブへの出禁処分
伊調馨選手は北京五輪で二連覇を果たした翌年の2009年に現役続行とトップでい続けるために、
恩師の栄和人監督の元を離れて上京し、男子合宿に参加しながら、全日本男子コーチの田南部力さんの元で練習を重ねました。
そして、ロンドン(2012年)、リオ(2016年)で金メダルを獲得し五輪4連覇の偉業を成し遂げました。
栄和人監督ではなく田南部力さんの力で五輪4連覇を果たしたことが、栄和人監督にとっては許せなかったのでしょうか。
告発状にはこう書かれてあります。
「栄(和人)理事にとって、伊調馨のオリンピック4連覇、国民栄誉賞は憎むべき事実であった。」
「栄(和人)理事は吉田沙保里が4連覇するよりも、伊調馨が負けるのを見たいと明言していた。」
2004年のアテネと2008年の北京五輪で優勝を果たした際、栄和人監督は伊調馨選手を肩車して喜びましたが、2016年リオ五輪では、残りの4秒で大逆転で4連覇を果たした伊調馨選手に対し、栄和人監督は日本国旗を渡すのみで、リング上でウイニングランを始める伊調馨選手に対し笑顔を見せることもなく、4回拍手をして、その場を去ったのでした。
裏の事情を知った後で見てみると、なるほど、2人の間が疎遠になっていたことがわかります。
ここで、栄和人監督がどんな人であるのか、簡単なプロフィールを見ていきたいと思います。
栄和人監督はプライベートでは、結婚を2回していますが、嫁は二人とも教え子のレスリング選手です。
栄和人監督は過去に登壇したシンポジウムで、「私は2人、選手に手を出しました」と自ら語っています。
栄和人監督のプロフィール【画像】
3月24日 午後1時30分から
和泉シティプラザにて
奄美市笠利町出身の 栄 和人 全日本アマチアレスリング強化本部長・至学館レスリング部監督と吉田 沙保里のトークショーが和泉市シティホールであります。
お時間のある方ぜひ来て下さい#奄美市 #笠利町 #栄和人 #吉田沙保里 #レスリング #wrestling pic.twitter.com/AnlwXJPbKg— KANちゃん’18 (@kanchan0825) 2018年2月26日
栄和人(さかえかずひと)監督は、鹿児島県奄美市出身で、1960年6月19日生まれの現在、57歳です。
現在は愛知県大府市にある至学館大学教授(健康科学部健康スポーツ学科)、至学館大学レスリング部監督、日本レスリング協会の強化本部長を務めています。
鹿児島商工高等学校、日本体育大学体育学部体育学科卒業
1980年全日本大学選手権優勝、1983年全日本選手権優勝、1987年世界選手権銅メダル(フリースタイル62kg級)、1988年ソウルオリンピック代表(フリースタイル62kg級)4回戦敗退。
1990年の30歳の時に京樽に女子レスリングコーチとして入社後、コーチ道を歩むようになります。
1996年中京女子大学附属高等学校の教諭に赴任
2003年中京女子大学レスリング部監督に就任
2004年全日本女子レスリングヘッドコーチに就任
2008年日本レスリング協会 女子強化委員長に就任
2013年日本レスリング協会 全体の強化委員長に就任
現在、栄和人監督は、日本レスリング協会では、所謂、現場のトップの地位にいます。
栄和人監督の嫁は2人とも教え子【顔画像】
栄和人監督はプライベートでは、2度の結婚歴と2人の子供がいます。嫁はいずれも教え子の女子レスリング選手です。
1度目の結婚は1993年で、当時、京樽でコーチを務めていた栄和人監督の教え子で、1992年の女子レスリング世界選手権57kg級で金メダルを獲得した坂本涼子選手です。栄和人監督33歳、嫁の坂本涼子選手は23歳の10歳の年の差婚でした。
こちらが現在の坂本涼子さんの顔画像になります。きれいな方ですね。
2人の間には子供が1人、娘の栄希和さん(1994年3月14日生まれの現在、23歳)がいますが、栄和人監督曰く、「いろいろありまして」離婚をされています。
こちらが栄希和さんの顔画像になります。
娘の栄希和さんもレスリングの道に進み、大学4年生の22歳の時(2015年)に、全日本選抜選手権60kg級で優勝して、同年9月に行われた世界選手権に初出場しています。もちろん東京五輪への出場を目指しています。
栄和人監督の2回目の結婚は、2008年5月で、相手は中京女子大学の教え子の岩間怜那さんでした。栄和人監督47歳、嫁の岩間怜那さん29歳の18歳の年の差婚でした。
こちらが岩間怜那さんの顔画像になります。
岩間怜那さんさんは吉田沙保里選手が一番慕う先輩で、2001年には世界選手権62㎏級で、2002年には59㎏級で優勝をしています。
2人の間には2014年4月2日に娘の心遥(こはる)ちゃんが生まれています。
伊調馨選手のプロフィール【画像】
あした宮津に伊調馨が来るん pic.twitter.com/BuMdRZqQW7
— 三代目萬侍帝國九頭猫會 (@ty824dmx5840) 2018年2月23日
伊調馨(いちょうかおり)選手は、1984年6月13日生まれの現在、33歳、ALSOK所属。
青森県八戸市出身で、兄(伊調寿行)と姉(伊調千春)の影響で3歳でレスリングを始めます。
2000年~2009年至学館レスリング時代(栄和人監督)
地元の中学を卒業後、2000年に愛知県の中京女子大学附属高校に入学し、中京女子大学へと進み、学生時代の7年間、栄和人監督に師事しました。
当初は吉田沙保里選手のいる56kg級で苦戦をしていましたが、63kg級に階級を上げて、2002年の世界選手権で初出場・初優勝を果たして以降、無敵の存在となります。
2003年3月クリッパン国際大会予選2回戦敗退以降、2016年1月29日のヤリギン国際大会決勝まで189連勝の記録を持つ(不参加・不戦敗を除く)。2004年アテネ、2008年北京五輪で2連覇達成。
2010年~2016年8月警視庁レスリングクラブ(田南部力コーチ)
2009年、伊調馨選手は恩師の栄和人監督の元を離れ、愛知から東京に上京します。
東京での人脈がない伊調馨さんは練習場所の確保のために、その前年2008年の全日本女子チームで特別コーチとして参加した田南部力コーチを頼ったのでした。
田南部力さんは、全日本男子チームと警視庁レスリングクラブのコーチを務めており、伊調馨選手は、男子の合宿に参加をさせてもらい、警視庁レスリングクラブを主な練習場として力を磨いていきました。
2010年の世界選手権で復活の優勝を果たした後、2012年ロンドン、2016年リオで4連覇を果たします。個人種目4連覇は、近代オリンピック史上6人目、女子では初めてのことでした。
2018年~ALSOK広報部へ移動
今年2018年1月1日付、伊調馨選手は所属するALSOKでそれまでの「教育・訓練部」から「広報部」へ異動したことが報じられ話題となりました。
伊調馨選手はインタビューの中で、仕事をしっかりするため、異動は自分から希望したものであること、これまでは練習を優先して仕事を免除されていたのだけれど、今は試合出場の予定がないことを語っています。
現在は、朝9時から夕方6時までフルタイムで業務を行い、週末はレスリング教室やイベントなどに出演する日々を過ごしているそうです。
つまりは練習ができていない日々を過ごしています。今年はまだ練習は5回ほどしかしていないんだとか。
長い間本格的な練習を離れているため筋肉が落ちて痩せてしまい、スーツを新調したことも明かしています。
突然の異動は自らの希望と発言した裏には、練習がしたくても関わる人たちに迷惑をかけるためできない、練習ができなければ試合にも出れない、であれば、お世話になっている会社で仕事をするしかないとの伊調馨選手の真面目さからのことだったのでしょう。
オリンピック5連覇について、伊調馨選手は今はまだ「意味・価値を見いだせていない」「戻るとしたら100パーセント腹をくくった時」と発言しています。
一方では、「現役を続けるとなると栄体制の元でやるしかないので、また色んな事を我慢しながらやっていくとなると…」と語っており、北京五輪以降のパワハラ環境が伊調馨選手の5連覇に向けての阻害要因になっているこは明らかなようです。
伊調馨選手が東京五輪に出場するためには、今年2018年12月に控えている全日本選手権で勝ち抜くことが求められています。
そして、来年2019年10月に開催される世界選手権に出場することが必須条件となると言われています。
伊調馨選手は、出場できる体に戻すためには「最低でも3ヶ月は必要」とかつて語っていますが、長い間練習から遠ざかり、筋肉が落ちてしまっている今は、それ以上の期間が必要なことでしょう。
伊調馨選手の現状が明らかとなったわけですが、栄監督はいつから袂を分かつようになってしまったのでしょうか、次に、確執が生まれた原因を見ていきたいと思います。
栄和人監督と伊調馨選手の確執はなぜ生まれたのか
もちろん金メダルを獲ります。でも、金メダル以上に「私のレスリング」で金メダルを獲りたい。そちらの方が大事だし、内容まで注目してもらえれば嬉しいです。(伊調馨) pic.twitter.com/WlxuwAxT16
— 偉人の名言〜志を高く〜 (@was_changed) 2018年2月21日
栄和人監督と伊調馨選手の関係は、伊調馨選手が栄和人監督が教諭を務める中京女子大学附属高校に2000年に入学したことに始まります。
伊調馨選手は、姉の伊調千春選手とともに栄和人監督の自宅で下宿生活を送り練習に励んでいました。
その頃は、まだ女子レスリングは五輪種目ではありませんでしたが、「女子レスリングの父」と呼ばれる福田富昭・日本レスリング協会会長が私費を投じて女子専用の寮を建てるなど女子強化に着手し、その福田富昭会長の後押しで、栄和人監督は女子レスリングの指導を始めたのだそうです。
女子レスリング(フリースタイル)は2004年のアテネ大会から五輪種目となり、
栄和人監督の元で練習を積んだ伊調馨選手は、2004年アテネと2008年の北京五輪でオリンピック2連覇を飾ります。
この北京五輪の後、第一の確執が生まれることになったと告白状では書かれています。
それは、北京五輪2ヶ月後の2008年10月に東京で開催された世界選手権でした。
北京五輪で、吉田沙保里選手と伊調馨選手が金メダル、伊調千春選手が銀メダル、浜口京子選手が銅メダルを獲得した後の世界選手権は日本テレビが「開局55年記念番組 女子レスリング世界選手権2008」と銘打ってテレビ放送をしました。
この世界選手権の放映料に関し、日本テレビから日本レスリング協会へ、当初1億円が支払われることになっていたのだそうです。
ところが、伊調馨、伊調千春姉妹は怪我のため欠場の意向を示したところ、見どころが減ったとして放映料は6000万円に減額されてしまったのだそうです。そこで、栄和人監督を始めとする日本レスリング協会幹部は、1億円を受け取るために伊調姉妹に出場するよう説得を試みたというのです。
北京五輪後、伊調姉妹は揃って現役引退を表明してますが、その後、撤回するなど、当時は体力・精神共に疲れていたことが伺えます。
結局、伊調姉妹は世界選手権を欠場し、日本レスリング協会幹部と亀裂が生じることとなったと言います。
伊調馨さんは、約1年間カナダ留学をして静養した後、2009年に復帰をしますが、この時、大きな決断をします。
それは、恩師である栄和人監督の元を離れることでした。
現役を続行しトップにい続けるために伊調馨さんは、栄和人監督の元を離れ上京します。
そして、東京での練習場所を確保するために面識のあった日本男子のコーチで、東京品川区にある警視庁レスリングクラブ(第6機動隊)のコーチを務める田南部力さんを頼り、師事することとなります。
これが栄和人監督の逆鱗に触れたというのです。
告発状にある栄和人監督の伊調馨選手に対するパワハラが始まったのでした。
田南部力コーチのプロフィール【顔画像】
ここでもう1人の登場人物である田南部力コーチの簡単なプロフィールを見ていきたいと思います。
田南部力(たなべちから)コーチは、北海道岩内郡岩内町出身、1975年4月20日生まれの現在、42歳です。
北海道岩見沢農業高校、日本体育大学を卒業し、警視庁に所属、警察官で階級は警部補。
高校時代は2年連続でインターハイの王者となり、大学4年生で全日本選手権を初制覇、2000年シドニー五輪出場(10位)、2004年のアテネ五輪では55キロ級で銅メダルを獲得しています。
引退後は、全日本男子チームのコーチ、所属する警視庁レスリングクラブのコーチを務めていましたが、現在は、いずれのコーチも外され、母校である日体大のコーチを務めています。
結婚をしていて、1999年7月14日生まれの長女の田南部夢叶(たなべゆめか)さん(18歳)は父親の力さんの指導のもと、中学時代には37kg級・40kg級の全国中学生大会を制覇し、14歳から世界大会に出場する選手に成長し、次世代エースとして期待を寄せられているレスリング選手です。この春、帝京高等学校卒業予定です。田南部夢叶選手ももちろん2020年東京五輪を目指しています。
栄和人監督のパワハラは田南部夢叶選手にも及んでいる?

それでは、栄和人監督による衣装馨選手へのパワハラについて1つづつ見ていきます。
1.伊調馨選手が師事する田南部力コーチ(42歳)への圧力
田南部力コーチの指導の元、2010年に3大会ぶりに出場した世界選手権で伊調馨選手は6度目の優勝を果たしますが、その世界選手権が行われていたモスクワで、田南部力コーチは栄和人監督から伊調馨選手のコーチングをするな、伊調馨選手が辞めても他の選手が育っているからいい、と言われたのだそうです。
でなければ、全日本男子代表のコーチを外すと。
栄和人監督は、その次の2012年に控えるロンドンオリンピックには、伊調馨選手ではなく別の至学館大学の選手を派遣したいと発言をしていたとのこと。
田南部力コーチは、栄和人監督の言うことを聞くことなく、伊調馨選手のコーチを続けます。
その甲斐あって、伊調馨選手は2011年の日本選手権で優勝し、2012年にロンドンオリンピックで金メダルを獲得しましす。
2.伊調馨選手の男子合宿への参加禁止
2012年にロンドンオリンピック金メダルを獲得後、伊調馨選手は男子合宿への参加を栄和人監督から禁止されてしまいます。栄和人監督は日本レスリング協会の理事としてその権限を持っているとのこと。
練習環境がどんどんと制限されていく中で、2016年1月にはヤリギン国際大会決勝で伊調馨選手は13年ぶりの敗北を喫し、連勝記録は189でストップします。
当時、リオ五輪が7か月後に迫っていましたが、伊調馨選手は田南部力コーチと敗北した原因を徹底的に分析し、結果、2016年8月のリオ五輪で4連覇を達成します。
3.伊調馨選手の警視庁レスリングクラブへの出禁処分
伊調馨選手はALSOKに所属していますが、ALSOKにはレスリング場がなく、田南部力さんがコーチを務める警視庁レスリングクラブで練習を積んでいましたが、リオ五輪4連覇後、警視庁を突然、出禁処分となってしまいます。
リオ五輪4連覇を達成し国民栄誉賞の授与が決定した際、伊調馨選手は、国民栄誉賞を誰に報告したいかと問われ、「警視庁第6機動隊(警視庁レスリングクラブ)に感謝したい。」と答えています。
伊調馨さんがオリンピック4連覇を果たしたこともあり、警視庁レスリングクラブは、練習用のマットを新調し、今後も頑張っていこうとした矢先のことでした。伊調馨さんは警視庁レスリングクラブ監督から「明日から来るな」と言われてしまいます。
警視庁レスリングクラブの監督とは、日本レスリング協会の常務理事の土方政和さんですが、土方政和さんは栄和人監督の高校時代の同級生で、2人は旧知の仲の関係にあります。
同時期に田南部力コーチも警視庁のコーチを外され異動となり、日本レスリング協会から男子代表コーチも外されてしまいます。現在、田南部力コーチは、出身校の日体大でコーチを務めているそうです。
3月1日のフジテレビ「直撃LIVE グッディ!」では、田南部力コーチに取材し、「栄和人監督は男子のコーチと接触させるのが嫌なんです。男子のコーチって実績も女子のコーチより全然上だし女子のコーチってあんまり教えられる人がいないんですよ。栄さんの言うことを聞いている人がコーチをやっているから、技術練習とか見ていてもレベルが低い」と答えています。
日頃はスクープといったら不倫が定番の文春砲が日本レスリング協会に放たれました。
女子レスリング界の裏を暴露した告発状に書かれた栄和人監督のパワハラスクープ。
白日のもとにさらされた今、真実をとことん追求してほしいものです。

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